慶応義塾大学心理学動物実験室。ここで比較認知科学と呼ばれる研究をしている、渡辺茂教授を紹介する。高度な知的能力は人間だけが持っている、私たちはそう考えがちだ。しかし、渡辺教授はいろいろな動物に目を向け、認知の多様性を研究している。彼が広く世界に注目された研究に、ハトにゴッホとシャガールの絵の区別ができるかという実験がある。訓練により、ハトは初めて見る絵でもゴッホとシャガールの絵を、画風を見て区別が出来るようになり、さらにモザイクをかけても識別できるという。比較認知科学を探求する中で、渡辺教授は、動物の認知を脳の構造へと結びつけて考えるようになってきた。それは、比較認知神経科学という新しい分野の研究へとつながる。渡辺教授の独自な発想による心の研究は続く。
|